『黒岩メダカに私の可愛いが通じない20巻』は、19巻の体育祭の続きからそのまま後夜祭へ入り、ついに川井モナと黒岩メダカが夜の学校で二人きりになる巻でした。ここまで積み上げてきた焦りや遠慮が、静かなムードの中で一気に甘さへ変わります。一方で難波朋もじっとしておらず、自分からメダカをデートへ誘うので、20巻はご褒美のような時間と次の火種が両方入った巻でした。ネタバレありで感想を書きます。
あらすじ
激モテ女子高生・川井モナの前に現れた、唯一オチない男・黒岩メダカ。
そんなメダカを惚れさせようと大奮闘のモナだったが、気づけば自分がオチていた!!
メダカと抜け出した後夜祭。夜の学校を2人占め。抜群のムードに気持ち高まり、2人の距離は急接近!?
幸せすぎる空間で、思わずモナの想いがこぼれだす──!!
一方、焦る朋も負けじとメダカをデートへ誘い出し…?
「好きすぎて、つい」が可愛すぎる!! “キュン”なイタズラにご注目の第20巻!!
アマゾンから抜粋
19巻では、体育祭のにぎやかさと花梨の大暴れの中で、モナが告白をどうするかを決めるところまで追い込まれました。20巻はその続きとして、騒がしい昼の流れから一転し、夜の学校で二人だけの時間をじっくり見せてきます。ここで甘くならないはずがなく、シリーズの中でもかなり読み味のやわらかい巻でした。
後夜祭で二人きり、はやっぱり強い
まず大きいのは、後夜祭でメダカとモナが抜け出すことです。学校行事の終わり、夜の校舎、二人だけの空間。この条件がそろえば、それだけで空気は特別になります。ここまで何度も距離を詰めようとしてきたモナにとって、この状況はずっと欲しかったはずのものです。

20巻の良さは、その特別さをちゃんと長く味わわせるところでした。派手なハプニングやライバルの乱入で切るのではなく、二人が同じ場所にいる時間そのものを見せる。だから、モナが浮かれるのも、メダカが落ち着かないのも自然に見えます。ここはイベントの力をまっすぐ使った、かなり強い場面でした。
モナの想いがこぼれるのは、ここまでの積み重ねがあるから
紹介文の中でいちばん印象に残るのは、やはりモナの想いがこぼれだすという部分です。20巻のモナは、かわいさで相手を振り向かせたい子ではもうありません。好きな相手と一緒にいるだけで気持ちが高まり、そのまま言葉や態度に出てしまう。そこまで来たからこそ、この『こぼれる』がすごく重く見えます。

ここが甘いのは、わざとらしく決めた言葉ではないからです。静かな空間の中で、嬉しさや緊張が積もって、抑えきれずに出る。その自然さがあるので、モナの本気がまっすぐ伝わります。長く続いた『通じない』のもどかしさを知っているほど、20巻のこの場面はかなりうれしいです。
メダカも、もう何も感じていない顔ではいられない
メダカの側も、ここまで来ると完全な無反応ではいられません。16巻から少しずつ見えていた揺れが、20巻では後夜祭の空気の中ではっきり浮きます。モナが言葉をこぼすなら、メダカもそれをただ受け流すだけでは済まない。だから二人の距離が近づく感じに、ちゃんと手応えがあります。

もちろん、この作品なので一気に全部決まるわけではありません。それでも、前より一段近いところまで来たと読めるだけで十分大きいです。20巻は告白の派手な成功そのものではなく、相手の心に確かに触れたと思える瞬間が何度もあって、そこがすごく良かったです。
朋も負けじと動くから、甘いだけで終わらない
そして20巻は、モナのご褒美回で終わりきらないところもちゃんとあります。朋が焦り、メダカをデートへ誘い出すからです。ここまでの朋は不器用さを残しつつも、初デートや積極的な場面を重ねてきました。20巻でもその流れは止まらず、幸せそうなモナを見て黙る子ではないと改めてわかります。

だから、後夜祭の甘さをしっかり味わったあとでも、恋の競争そのものは終わりません。むしろモナが前へ出た直後だからこそ、朋の動きが次にどう響くか気になります。20巻は甘さが濃いのに、続きへの引きまでちゃんと残して終わるのがうまいです。
まとめ
『黒岩メダカに私の可愛いが通じない20巻』は、後夜祭で二人きりになったモナとメダカの時間がとにかく強い巻でした。幸せすぎる空間の中で、モナの想いが思わずこぼれる流れはかなり甘いです。それでも、朋が次の一手を打つので、恋戦争はまだ終わりません。20巻はご褒美のような甘さと、次を読みたくなる引きの両方が入った一冊でした。
