『黒岩メダカに私の可愛いが通じない3巻』は、湘南旭が本格的に入ってきたことで、モナの空回りがただの意地ではなくなっていく巻でした。黒岩メダカをめぐる競争がわかりやすくなり、看病対決やハロウィンのようなイベントでも、モナの焦りと本音がかなり見えやすくなっています。ネタバレありで感想を書きます。
あらすじ
激モテ女子高生・川井モナの前に現れた、唯一オチない男・黒岩メダカ。
そんなメダカを惚れさせるため、今日も彼女は奮闘中!
“ハイスペ後輩”湘南旭の登場で、恋戦争は超激化!
風邪で学校を休んだメダカの自宅で、2人の看病対決が勃発!
切磋琢磨(?)のアピール合戦、軍配が上がるのは!?
さらに、アピールするにはもってこい、“ハロウィン”の季節も訪れ…?
イベントだらけで、「きゅん」「ドキ」だらけの第3巻!!
アマゾンから抜粋
3巻は、2巻のラストで入ってきた旭がしっかり場を動かし始める巻でした。モナひとりで押して空回りするだけでなく、誰かに取られるかもしれない空気が出てくるので、モナの感情がより素直に見えてきます。ここまで来ると、もうプライドだけでは説明できない感じがありました。
旭が入って、モナの余裕がなくなっていく
3巻でまず大きいのは、やはり湘南旭の存在感です。2巻の時点でも波乱の予感はありましたが、3巻ではその予感がそのままモナへの刺激になっていました。今までは自分が仕掛けて自分で空回りする形が中心だったのに、旭が入ることで、モナが外から揺さぶられる場面が増えます。

この流れがいいのは、モナの気持ちをごまかしきれなくなってくるところでした。平気な顔はしていても、黒岩メダカを取られたくない気持ちがふとした場面で出てしまう。モナ本人はまだ認めたくなさそうなのに、読んでいる側にはもうはっきり伝わってきます。
旭もただにぎやかしの新キャラではなく、モナの本音を引きずり出す役としてかなり効いていました。ライバルが入ると話が雑になる作品もありますが、この巻はむしろモナの感情線が整理されて読みやすくなった印象です。
看病対決は、この巻らしい距離の詰め方だった
あらすじにもある看病対決は、3巻の見どころとしてかなりわかりやすかったです。メダカが風邪で休むというだけでも距離が近づくきっかけになりますし、そこにモナと旭の対抗意識が重なることで、一気にラブコメらしい熱が出ていました。

この場面のいいところは、モナのアピールがいつも以上にむき出しになることです。勝ちたい気持ちと、そばにいたい気持ちがかなり近いところにあって、意地と本気が混ざって見える。3巻はそういうモナの危うさがいちばん面白かったです。
しかも相手が黒岩メダカなので、近づけばすぐうまくいくわけではありません。そこがこの作品の変わらない強みだと思います。簡単に報われないからこそ、モナの必死さがそのまま見どころになる。その形が看病対決では特にきれいに出ていました。
ハロウィン回もちゃんと楽しい
3巻はハロウィンのイベントも入るので、読んでいて飽きません。文化祭の時にも感じましたが、この作品はイベント回になるとキャラの気持ちの動かし方がうまいです。衣装や場の空気に背中を押されて距離を詰めたいモナと、そこですぐには流されないメダカの組み合わせはやはり強いと思いました。

特にこの巻では、イベントがただ派手なだけで終わらず、モナの焦りや見栄にもつながっていました。楽しい場面が多いのに、その裏でモナの気持ちは前より切実になっている。だから読み味は軽くても、関係の進み方にはちゃんと変化がありました。
メダカは相変わらずだけど、二人の空気は少し変わる
黒岩メダカは3巻でも急には変わりません。そこは相変わらずで、モナからすればもどかしいはずです。ただ、ずっと同じところを回っているわけでもなく、周りの状況が変わることで、二人の間に流れる空気は少しずつ違って見えてきます。
この作品は、派手に進展するというより、モナの感情が先に追い詰められていくのが面白いところだと思っています。3巻はその傾向がかなり強くて、メダカを落とすはずのモナが、すでにかなり振り回されているように見えました。
モナが意地だけでは動けなくなってくる
1巻ではプライドが先、2巻では意識している感じが少し見え、3巻ではそこに嫉妬や焦りがはっきり混ざってきます。この流れが自然でした。ラブコメとしてのにぎやかさはそのままなのに、モナの気持ちは確実に次の段階へ進んでいるように見えます。
旭の存在、看病対決、ハロウィンと、見どころになる材料が多い巻ですが、読み終わったあとにいちばん残るのは、やはりモナがもう後戻りしづらいところまで来ている感じでした。空回りのかわいさだけでなく、恋の話としての前進も見えてきます。
まとめ
『黒岩メダカに私の可愛いが通じない』3巻は、旭との恋戦争が本格化して、モナの気持ちがいよいよ隠しきれなくなってくる巻でした。看病対決やハロウィンのようなイベントでテンポよく読ませつつ、モナの焦りや本音もしっかり拾ってくれます。
黒岩メダカが簡単に落ちないところは変わらないのに、周りの状況が動くことで二人の関係は前より気になるものになっていました。そのバランスがよかったです。3巻は、モナの恋がもうただの意地ではないと感じられる、おもしろい巻でした。
