『黒岩メダカに私の可愛いが通じない17巻』は、新学期の始まりと同時に、新ヒロイン・青葉花梨が入ってくる巻でした。15巻、16巻で少しずつ揺れていた黒岩メダカを前に、川井モナはまだ落ち着けません。そこへクラス替えの不安と新入生まで重なるので、17巻のモナはかなり忙しいです。湘南旭、難波朋、そして花梨まで存在感を出してきて、恋の競争がまた一段うるさくなりました。ネタバレありで感想を書きます。
あらすじ
激モテ女子高生・川井モナの前に現れた、唯一オチない男・黒岩メダカ。
そんなメダカを惚れさせようと大奮闘のモナだったが、気づけば自分がオチていた!!
新学期突入!! …だけどモナの胸は不安でいっぱい!?
メダカとクラスが離れたら? 可愛い新入生が入ってきたら!?
新ヒロイン・青葉花梨の入学は、モナにとっての大波乱!
旭に朋に、花梨までもが、存在感を発揮する!!
卒業まであと一年! 加速してゆく恋戦争! 攻めてくしかない第17巻!!
アマゾンから抜粋
16巻ではホワイトデーのお返しを通して、メダカの変化が少し見えました。17巻はその続きとして、穏やかな余韻に浸る暇を与えません。新学期になれば、クラスも空気も人間関係も動きます。モナが不安になる理由が次々に実物として出てくるので、読んでいる側も一緒に落ち着かなくなりました。
クラス替えだけでここまで慌てるのが、今のモナらしい
17巻のモナは、まずクラス替えでしっかり揺れます。前のモナなら、自分がかわいければ距離なんてすぐ詰められると思っていたはずです。でも今は違う。せっかく少しずつ近づいたメダカと離されたらどうしよう、と先に不安が立ちます。この慌て方そのものが、モナの恋がもう意地では済まないところまで来ている証拠でした。
しかもモナは、不安なまま黙って待てる子ではありません。気にして、焦って、先回りして動く。その落ち着かなさが17巻ではかなり前に出ます。読んでいて笑えるのに、同時に本気の恋だともわかるので、やっぱりモナが主役のラブコメとして強いです。

青葉花梨は、モナが嫌がる条件をきれいに揃えて入ってくる
そこへ現れるのが、新ヒロイン・青葉花梨です。新入生で、かわいくて、しかもメダカの周りに入り込む余地がある。モナからすれば嫌な条件がきれいに揃っています。12巻の杏莉が外から空気をかき回した存在なら、17巻の花梨は学校生活の中へ自然に入り込んでくる怖さがあります。

花梨の登場が良いのは、ただ人数を増やすためではなく、3年生になったモナたちの空気へ新しい視線を持ち込むところです。モナ、旭、朋はここまでで互いの存在を強く意識してきました。その輪の外から新入生が入ると、距離の測り方がまた変わる。17巻は、花梨が何をするか以上に、花梨が来たことで周りがどう落ち着かなくなるかを見るのが面白かったです。

旭も朋も、もう脇役の顔ではいない
17巻では旭と朋も、きっちり存在感を出します。ここまで読んできた側からすると当然ですが、もうこの二人はモナの恋を盛り上げるための脇役ではありません。旭は遠慮なく前へ出るし、朋もためらいながら止まる段階を越えています。新学期になっても、その積極性がちゃんと続いているのがよかったです。

花梨という新顔が入ると、既存ヒロインの影が薄くなることもあります。でも17巻ではそうなっていません。むしろ『新入生まで来たなら、こっちも引けない』という空気が強まって、旭も朋も自分の立ち位置をよりはっきり見せます。恋の競争が広がったのに、既存メンバーの輪郭がぼやけないのはかなりうまいです。
17巻は、新学期の不安をそのまま恋の燃料にした巻
17巻を読んでいて強く感じたのは、新学期の不安をそのまま恋の材料にしているところでした。クラス替え、新入生、卒業まであと一年という時間の意識。高校生活が進んでいく現実があるから、モナたちも呑気ではいられません。イベント一発で押す巻ではなく、日常の変化が恋をせかしてくる巻でした。
だから17巻は派手な決着こそないものの、読後にはかなり先が気になります。16巻で見えたメダカの揺れ、新入生の登場で慌てるモナ、さらに前へ出る旭と朋。この並びを見ると、17巻は新章の始まりとしてかなり出来がいいです。次をすぐ読みたくなる終わり方でした。

まとめ
『黒岩メダカに私の可愛いが通じない17巻』は、新学期と新ヒロイン青葉花梨の登場で、モナが落ち着く暇をなくす巻でした。クラス替えの不安に加えて、旭、朋、花梨まで前に出るので、恋の競争はかなりにぎやかです。新しい人数が増えても既存ヒロインの存在感は弱くならず、むしろそれぞれの攻め方がはっきり見えます。17巻は、次の波が本格的に来たと実感できる一冊でした。

