『黒岩メダカに私の可愛いが通じない15巻』は、14巻で積み上げたバレンタイン編の本番が来る巻でした。川井モナの大きな作戦、湘南旭や難波朋の思い、そして思わぬハプニングまで重なって、かなりにぎやかです。それでも読み終わると残るのは、チョコに込めた気持ちの重さと、黒岩メダカが揺らされる感じでした。ネタバレありで感想を書きます。
あらすじ
激モテ女子高生・川井モナの前に現れた、唯一オチない男・黒岩メダカ。
そんなメダカを惚れさせようと大奮闘のモナだったが、気づけば自分がオチていた!!
ついに迎えたバレンタイン! チョコで気持ち伝わる特別な日。
機会を窺うモナだったが…思わぬハプニングが襲い掛かる!?
チョコに込めた“想い”の行方はーー!? バレンタイン編、クライマックス!!
オチない男・黒岩メダカに激震走る!? サプライズでときめく第15巻!!
アマゾンから抜粋
15巻は、まさにバレンタイン当日をどう着地させるかの巻でした。14巻では三人それぞれの準備や覚悟が見えていましたが、15巻ではそれを実際に渡せるか、伝えられるかが問われます。イベントの本番らしく、気持ちの重さも、失敗したくない緊張も、全部ひとまとめに押し寄せてくる感じが良かったです。
モナの作戦は大きいぶん、崩れた時の焦りも大きい
やはり中心にいるのはモナです。14巻で考えていた大きな作戦を実行に移すからこそ、15巻ではいつも以上に失敗できません。かわいさで押せば何とかなるという段階はもう過ぎていて、どうやって気持ちを渡すか、どの瞬間なら届くかまで考えて動く。その本気さがまず伝わってきました。

だからこそ、思わぬハプニングが入った時の焦りがかなり大きく見えます。モナは普段強気でも、計画が崩れるとあっという間に余裕をなくす子です。ただ、その慌て方がそのまま本音に近いので、見ていてむしろかわいい。バレンタインの特別さが大きいほど、モナの好きの重さもよく見える巻でした。
旭と朋の想いも軽く流されず、ちゃんと重い
15巻が良かったのは、モナの巻だからといって、旭と朋の気持ちを薄くしていないことです。旭はまっすぐ、朋は不器用でも積極的に、それぞれ自分のやり方でバレンタインに向かいます。ここまで積み上げてきた差が、そのまま当日の動きに出るので読みやすいです。

特に朋は、初デートを経てから一歩引くばかりの子ではなくなりましたし、旭も誠心誠意で攻める姿勢を崩しません。三人とも同じ『渡す』に向かっていても、気持ちの持っていき方がまるで違う。その違いが並ぶから、イベント物なのに単調にならず、誰の場面もちゃんと意味を持ちます。
メダカに激震、は大げさではなかった
紹介文のオチない男・黒岩メダカに激震という言い方は、今回はかなりしっくり来ました。これまでのメダカは、気持ちを向けられても戒律を背負って受け止め切らずに立ち止まることが多かったです。けれど15巻は、イベントの圧とサプライズの力で、さすがに平然とはしていられない空気が出ます。

メダカが劇的に誰かを選ぶわけではなくても、ここまで来るともう『通じない』だけでは済まない。チョコや言葉に乗った好意が、ただのラブコメの賑やかしではなく、相手を揺らす重さとして届いていました。15巻は、その意味でシリーズ前半の積み上げが一度ちゃんと実る巻だと思います。
15巻はバレンタイン編の締めとしてかなり甘い
15巻はハプニングもありますが、読み味としてはかなり甘いです。失敗しそうになる緊張、渡せるかどうかのそわそわ、気持ちが届くかもしれない瞬間が続くので、イベント巻としての満足感が高い。ここまでのモナ、旭、朋の気持ちを知っているほど、どの場面も軽く流せません。
しかも、サプライズでときめくという締め方がこの作品らしいです。真正面の告白決着だけで走るのではなく、ちょっとした特別さや不意打ちで心を揺らす。その甘さが15巻ではかなり強く出ていました。バレンタイン編のクライマックスとして、きちんと読み終えた手応えのある巻でした。
まとめ
『黒岩メダカに私の可愛いが通じない15巻』は、バレンタイン当日にチョコへ込めた想いがぶつかり合う巻でした。モナの大作戦はハプニング込みで気持ちの重さがよく見え、旭と朋の想いも軽く流されません。メダカに激震が走る、という紹介文どおり、15巻はイベント回としてしっかり甘くて、シリーズの節目としてもかなり印象に残る一冊でした。

