『黒岩メダカに私の可愛いが通じない6巻』は、恋心を自覚した川井モナが、ついに黒岩メダカとの初デートへ踏み出す巻でした。これまではメダカを惚れさせるための作戦だったのに、今度は自分が好きな相手とカップルらしい時間を過ごしたくて頑張る。目的が変わったことで、同じアピールでもモナの照れと必死さがぐっと増しています。後半では湘南旭も大胆に動き始め、三角関係から目が離せません。ネタバレありで感想を書きます。
あらすじ
激モテ女子高生・川井モナの前に現れた、唯一オチない男・黒岩メダカ。
そんなメダカを惚れさせようと大奮闘のモナだったが、気づけば自分がオチていた!!
“好き”に気づいたモナ、ついにメダカとの初デートへ!
“あーん”、ゲーセン、そしておそろい! 「“カップルっぽいこと”メダカとしたい!」と、おねだり大連発で……?
そして一方、ライバル・湘南旭も大胆始動!?
アマゾンから抜粋
5巻の遊園地で、自分がメダカを好きだと認めたモナ。6巻ではその答えを抱えたまま、メダカとの二人きりの時間を手に入れます。モナが望むのは、食べ物を「あーん」したり、ゲームセンターで遊んだり、おそろいの品を持ったりすること。どれも小さな願いですが、恋を知ったばかりのモナには一つずつが大勝負です。
初デートのモナ、かわいさが全部本気
今回の初デートで面白いのは、モナの得意技が急に使いにくくなっていることでした。以前なら、近い距離や大胆な仕草も「メダカを落とすため」と言い訳できました。自分の気持ちを認めた今は、メダカに何かをお願いするたびに「好きだからしたい」という本音までついてきます。攻めているのはモナなのに、照れて追い詰められるのもモナ。この逆転がたまりません。
特に“あーん”やゲームセンターの場面は、デートらしい楽しさとモナの緊張が同時に伝わってきます。完璧なモテ女として相手を翻弄する姿ではなく、好きな男子の反応一つで喜んだり慌てたりする普通の女の子になっている。1巻から追ってきた読者ほど、モナの変化をかわいく感じるはずです。

メダカは相変わらず戒律を意識し、モナの期待どおりには振る舞いません。それでも二人で出かけ、モナのお願いに向き合っている時点で、最初の頃より距離は縮まっています。モナだけが満足する一方通行の作戦ではなく、二人が同じ場所で思い出を作る時間になっているのがうれしいところでした。
おそろいが欲しい、その願いがもう恋そのもの
6巻のモナを象徴するのが、メダカとおそろいを持ちたがる姿です。相手を落とすだけなら、形に残るものは必要ありません。それでも欲しいのは、デートが終わった後にも二人のつながりを感じたいから。モナの願いが勝ち負けから完全に離れたことが、ここではっきりわかります。

「カップルっぽいことがしたい」という望みも、ただ雰囲気を味わいたいだけではありません。メダカの特別な相手になりたいのに、まだ告白も交際もできていない。そのもどかしさを、まずはデートらしい行動で埋めようとしています。強気なおねだりの裏側に、断られたくない不安があるからこそ、モナの一挙一動が印象的です。
旭も待ってはいない
モナが恋を自覚したことで、湘南旭との競争も次の段階へ入ります。旭は以前からメダカへの好意を隠していませんが、6巻ではさらに大胆な行動へ踏み出します。モナが初デートの幸福感に浸って終わらず、ライバルも同じ相手を本気で見ていることを改めて突きつけられる構成です。

旭の良さは、モナとは違う方法で正面からメダカへ向かうところです。モナが照れやプライドに振り回される一方、旭は自分の好意を行動へ移す。そのまっすぐさがあるため、単なる当て馬には見えません。モナを応援したくなるのと同時に、旭にも報われてほしいと思わせるのが、この三角関係の悩ましいところです。
メダカの戒律が、恋の答えを遅らせる
モナの気持ちは明確になりましたが、メダカの戒律は残っています。メダカが簡単に好意を返せないから、初デートをしても二人は恋人になりません。ただし、彼がモナとの時間をどう受け止めているのかは、以前より気になる段階へ来ました。無反応に見える態度の内側で、どこまで心が揺れているのか。モナと旭が積極的になるほど、次はメダカ側の答えを知りたくなります。
この戒律があるからこそ、デートやおそろいのような小さな前進が特別になります。すぐ付き合えない二人が、できる範囲でカップルらしい時間を重ねる。そのじれったさと甘さが、6巻ではきれいに噛み合っていました。
まとめ
『黒岩メダカに私の可愛いが通じない』6巻は、恋心を認めたモナがメダカとの初デートに挑み、“あーん”、ゲームセンター、おそろいと、憧れていたカップルらしい時間を求める巻でした。モテ技だったはずの行動がすべて本気のアピールへ変わり、強気なのに照れまくるモナがとにかくかわいいです。
一方で旭も大胆に動き出し、モナが一歩進んだから安心とはいきません。モナはメダカに振り向いてもらえるのか、旭はどこまで距離を縮めるのか、そしてメダカは戒律と二人への感情にどう向き合うのか。恋を自覚した後の楽しさをたっぷり見せながら、三角関係の続きをしっかり気にさせる6巻でした。

