君に愛されて痛かった 7巻は、とみ子の過去が入ることで、女同士の序列と居場所の傷をもう一段深く見せてくる巻でした。いま教室で起きていることだけではなく、その前にどこで傷ついてきたのかまで見えてくるので、読後の重さがかなり違います。表面の立ち位置だけでは片づかない嫌さがあって、7巻はそこが強く残りました。
あらすじ
お互いにたくさんの過ちを繰り返してきてしまった寛とかなえだからこそ、今度こそ信じ合える関係になりたくて…かなえと寛は恋人同士になった。だが必ずしも周囲の人間たちが二人を祝福してくれるとは限らない。その歪みはすでに始まっていてーー。
アマゾンから抜粋
7巻は、かなえと寛が恋人同士になったという変化を置きつつ、そのまま甘い空気へは進みません。むしろ周囲に残っているわだかまりのほうが濃くて、そこへとみ子の過去まで重なるので、教室の空気がさらに嫌になります。誰が今どこにいるかより、そこへ来るまでに何を抱えたのかが前へ出る巻でした。
とみ子の過去がかなり重い
とみ子の過去編が入ることで、今のグループの見え方がかなり変わります。

いま同じ場所にいる子たちも、最初からその位置にいたわけではなく、別の場所で笑われたり、押し出されたりした傷を引きずっている。とみ子の話はそこを正面から見せてくるので、読んでいてかなりしんどいです。

ここで見えてくるのは、女同士の序列がその場かぎりの力関係ではないことです。上にいるように見える側にも、前に削られた記憶が残っているし、下へ落ちたくない気持ちも残っている。そのため、教室の空気がただ意地悪なだけで終わらず、もっと執念深いものに見えてきました。
女同士の関係の嫌さがねちっこい
7巻の嫌さは、昔つらいことがあったと明かして終わる話ではないところです。誰が上だったのか、どこで笑い者にされたのか、誰のそばにいれば自分の立場を守れたのか、そういう記憶がそのまま今の空気へつながっています。だから女子同士の関係が、ただのもめごとではなく、ずっと尾を引く傷として見えてきます。

表面の立ち位置が変わっても、人が受けた恥ずかしさや惨めさはそんなに簡単に消えません。7巻はそこをかなり容赦なく見せてきます。今その場で強く見える子も、別の場所では傷ついていたかもしれないし、その記憶が今の振る舞いにくっついている。そこまで見えてくるので、読後の空気もかなり重いです。
教室の空気がさらに悪く見える
とみ子の過去が入ることで、教室の空気そのものがもっと悪く見えてきます。いま起きている見下しや距離の取り方が、その場で急に生まれたものではなく、前から積もっていた傷の上に乗っているからです。7巻は派手な事件を見せる巻というより、その底にある嫌な記憶を掘り返してくる巻でした。

一花グループの見え方も、この巻でまた嫌な方向へ深まります。誰か一人が悪いで終わる形ではなく、傷ついた記憶を抱えたまま今の位置を守ろうとする感じが見えるからです。女同士の関係のしんどさを描く巻として、7巻はかなり重かったです。
今の立ち位置だけでは人間関係を読めない
7巻を読んでいると、今クラスの中で誰が上にいるかだけ見ていても、この作品の嫌さはつかみきれないと思いました。前にどこで笑われたのか、どこで押し出されたのか、その記憶が残ったまま今の関係へつながっているからです。とみ子の過去が入ることで、今の教室にある遠慮や探り合いまで、ただの空気の悪さではなくなってきます。

しかも7巻は、その傷をきれいに整理して誰かを救う方向へは進みません。昔つらかったから今は優しくなれる、という話でもないし、逆に昔傷ついたから今の意地悪さが全部許されるわけでもない。その割り切れなさがずっと残るので、読んでいて気分が晴れませんでした。
読後に残るのは序列と居場所のしんどさ
7巻は、恋愛の進展そのものより、序列と居場所のしんどさのほうが強く残ります。とみ子の過去が入ることで、教室の中にある見下しや遠慮や探り合いまで重く見えてくるからです。読み終えたあとも、救いよりあの空気の悪さのほうが残りました。
まとめると、君に愛されて痛かった 7巻は、とみ子の過去を通して、女同士の序列と居場所の傷を深くえぐる巻でした。教室の中で見えていた関係の嫌さに、そこへ至るまでの傷まで重なるので、シリーズの中でもかなり重いです。女子集団の空気の悪さがじわじわ残る巻でした。

