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【ネタバレ】透明な夜に駆ける君と、目に見えない恋をした。感想|小春の結末は賛否?

透明な夜に駆ける君と、目に見えない恋をした。

透明な夜に駆ける君と、目に見えない恋をした。を読み終えて、まず残ったのは小春というヒロインの強さとかわいさでした。目が見えないという設定は重くなりすぎてもおかしくありませんが、小春は必要以上に暗く描かれていません。むしろ、大学生活を楽しもうとする明るさや、打ち上げ花火をしてみたいと願う無邪気さが印象に残ります。

かけるもまた、過去の経験から人と深く関わることを避けてきた主人公として読みやすい人物でした。小春に振り回されながらも少しずつ前に出ていく姿には、青春恋愛らしいまぶしさがあります。ただ、最後まで読み終えると、良かったと思う部分と、正直そこでそうするのかと思った部分がはっきり分かれました。泣けるライトノベルとしての力はあるのに、終盤の小春の扱いだけはかなり引っかかります。

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透明な夜に駆ける君と、目に見えない恋をした。は小春が魅力的

透明な夜に駆ける君と、目に見えない恋をした。で一番良かったのは、やはり冬月小春です。目が見えない美少女という設定だけを見ると、いかにも薄幸ヒロインとして描かれそうですが、小春はそれだけでは終わりません。よく笑い、自然に距離を詰め、周囲を明るくする力があります。

目が見えないことは、小春にとって大きなハンデです。それでも、大学へ通い、友達を作り、サークルにも興味を持ち、打ち上げ花火をしたいという夢も持っています。かわいそうな人物として同情を誘うのではなく、かけるが思わず目を離せなくなる相手として描かれているところが良かったです。

かけるも、嫌味のない主人公です。母子家庭で育ち、人と深く関わることを避けるようになった背景があるため、最初から積極的に小春を救うタイプではありません。だからこそ、小春と関わることで変わっていく流れに説得力があります。恋愛ライトノベルとして、主人公とヒロインの組み合わせはかなり良かったです。

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透明な夜に駆ける君と、目に見えない恋をした。の感想

透明な夜に駆ける君と、目に見えない恋をした。の恋愛描写は、距離の縮まり方が良い作品でした。1冊だけで結末まで行ってしまうのでやや恋愛描写は駆け足ではあります。

打ち上げ花火をしてみたいという小春の願いも印象的です。目が見えないのに花火を楽しめるのか、という疑問は自然に浮かびます。しかし、小春にとって大事なのは、花火そのものを目で見ることだけではありません。音や空気、隣にいる人の反応、その場に自分もいるという実感が大切なのだと思えます。

大きな伏線となる小春の栞もなるほど後からそう繋がるのかとなります。

泣けるライトノベルとして恋愛要素だけでなく、障がいというテーマを扱って相手を理解しようとするストーリーは読み応えがありました。

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透明な夜に駆ける君と、目に見えない恋をした。の伏線

透明な夜に駆ける君と、目に見えない恋をした。は、後から振り返ると伏線も分かりやすく効いています。特に印象に残ったのは、かけるが小春をどう扱ってよいか分からないと言ったときに、鳴海潮が怒りを見せる場面です。最初は少し強い反応に見えました。

女の子の扱い方という表現は普通に使いますし、かけるに差別意図は全くありません。思えば目が見えない小春に対してもずっと普通に接した鳴海は恐らく身内か知人に同様の人がいるのだろうと感じさせましたが、鳴海にはダウン症の兄がいました。

また途中で小春は記憶を無くし、かけるたちのことを忘れてしまっています。しかしこれは小春の嘘で実際は記憶を無くしていませんでした。かけるは栞の話をしている時に記憶を無くしていないと気づくのですが、描写も丁寧でした。

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透明な夜に駆ける君と、目に見えない恋をした。の結末は賛否ありそう

透明な夜に駆ける君と、目に見えない恋をした。で一番引っかかったのは終盤です。小春は記憶を失っていたわけではなく、キスをした日に体調を崩し、がんの転移が見つかってステージ4だと告げられていました。生存率もかなり厳しいと言われ、かけるを傷つけないために記憶をなくしたふりをしていたという流れです。

この真相自体は悪くないです。小春が明るかったぶん、病気の重さは強く響きますし、かけるが途中で嘘に気づいていたという流れも納得できます。ただ、その後の見せ方にはどうしても違和感が残りました。小春の葬儀を思わせるように読ませておいて、実は大学時代は生き延び、子どもも生まれ、45歳まで生きていたと分かる流れは、感動よりも肩透かしに近かったです。

さらに、大学時代のがんを乗り越えた小春が、最終的に乳がんで亡くなっていた点も気になりました。もちろん、がんを経験した人が別のがんで亡くなることはありますし、早期発見なら必ず助かるわけでもありません。ただ、学生時代に命の危機を経験した小春なら、検診や体調の変化にはかなり敏感になっていそうです。だからこそ、乳がんで亡くなったという結末には少し都合の良さを感じました。

小春が生きていたことが嫌だったわけではありません。ただ、死を強く匂わせるなら、その後に生存を明かす流れにはもっと丁寧な余韻がほしかったです。

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まとめ

透明な夜に駆ける君と、目に見えない恋をした。は、小春というヒロインがかなり魅力的な恋愛ライトノベルでした。明るくて天然で、目が見えないことを理由に夢を諦めない小春と、少し卑屈だけど根は優しいかけるの組み合わせは良かったです。恋愛描写も、相手の世界を知ろうとする過程として読めるため、前半から中盤まではかなり好きでした。

ただ、終盤の生存ミスリードと乳がんで亡くなる結末は個人的には賛否の否ですね。感動よりも先に、そこでそう見せるのかという違和感が残りました。

がんが一般的に絶望と言われるステージ4の状態、今年の生存率5%、5年後は絶望的と医師がはっきり言うシーンがあり、希望はほぼないけど最後に花火を…のような展開で、結局ガンは小春の命を奪ったという台詞を挟み、小春の葬儀の回想をまで入れて、実は亡くなったのは最近であの時は大丈夫だったんですよ、はちょっとなぁ…と自分は思ってしまいました。

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