骨の健康は、年齢を重ねてから急に考えるものと思われがちです。けれど、骨は毎日の食事、日光に当たる機会、体を動かす量の影響を受けています。忙しい日でも少しずつ整えられるため、早めに習慣として持っておくと安心です。
骨の健康を守る食事では、カルシウムだけを増やせばよいわけではありません。カルシウムの摂取、ビタミンDを意識した食品や日光、骨に刺激を加える運動を組み合わせることで、毎日の生活に取り入れやすくなります。
この記事では、骨を意識した食材の選び方、日光と運動の取り入れ方、食事を続けるための献立づくりを紹介します。骨密度が気になる、骨折歴がある、治療中の病気や服薬がある場合は、自己判断で食事や運動を大きく変えず、医師や管理栄養士へ相談してください。
カルシウムは一品でなく一日の食事で考える

骨の健康を意識すると、まずカルシウムを思い浮かべる人が多いでしょう。牛乳やヨーグルト、チーズ、小魚、豆腐、納豆、青菜、海藻など、カルシウムを含む食品は身近にあります。毎食で完璧にそろえるより、朝昼晩のどこかに一つずつ置く感覚で考えると続けやすくなります。
たとえば朝にヨーグルト、昼に豆腐入りのみそ汁、夜に小松菜やしらすを使った副菜を足すだけでも、食卓の幅は広がります。乳製品が苦手な人は、小魚、豆製品、青菜、海藻を組み合わせます。特定の食品だけに頼ると飽きやすいため、食材を分散させることが大切です。
カルシウムを意識する一方で、食事全体のバランスも見落とせません。主食、主菜、副菜が極端に偏ると、たんぱく質やほかの栄養素が不足しやすくなります。骨の材料を支えるためにも、魚、肉、卵、大豆製品などの主菜と、野菜を使った副菜を一緒に考えます。
外食やコンビニを使う日も、骨の健康を意識した選び方はできます。牛乳やヨーグルトを足す、豆腐入りの汁物を選ぶ、小魚や青菜の副菜を添えるなど、主食だけで終わらせない工夫をします。毎食を理想形にするより、足りないものを一つ補う考え方が現実的です。
厚生労働省のe-ヘルスネットでは、骨粗鬆症の要因としてカルシウムやマグネシウム、ビタミンDなどの不足、運動不足が挙げられています。この記事では治療ではなく、日々の生活で意識できる予防的な習慣として紹介します。
ビタミンDと日光を無理なく取り入れる

カルシウムと一緒に意識したいのがビタミンDです。ビタミンDは魚やきのこ類などに含まれ、日光を浴びることでも体内で作られます。外出が少ない人は、食事だけでなく、日中に外の光を浴びる機会も見直してみましょう。
日光を浴びるといっても、強い日差しの中で長時間過ごす必要はありません。通勤や買い物で少し歩く、昼休みに外へ出る、洗濯物を干すときに外の空気に触れるなど、生活の中に短い機会を作ります。紫外線が強い季節は、帽子や日陰、日焼け止めなども使いながら調整します。
季節や住んでいる地域、服装、肌の出る範囲によって、日光の受け方は変わります。屋外へ出る機会が少ない人は、魚やきのこ類を食卓に入れる、休日に短く歩く予定を作るなど、食事と行動の両方から補うと考えると無理がありません。
骨の健康には、食事だけでなく運動による刺激も関わります。ウォーキング、階段を使う、軽い筋力トレーニングなど、骨に負荷がかかる動きを無理のない範囲で取り入れます。痛みがある人や転倒が心配な人は、専門家に相談しながら安全な運動を選びましょう。
e-ヘルスネットの「骨粗鬆症予防のための運動」では、カルシウムの摂取と日光浴に加え、ウォーキングや筋力トレーニングなど骨に刺激が加わる運動が推奨されています。
献立は「足す食材」を決めると続きやすい

骨の健康を意識した食事は、毎日新しい料理を作らなくても続けられます。みそ汁に豆腐やわかめを足す、サラダにしらすやチーズをのせる、冷凍きのこを常備する、間食をヨーグルトにするなど、いつもの食事に加えやすい食材を決めておきます。
買い物のときは「骨のための一品」を毎回一つ入れるルールにすると迷いにくくなります。小魚、牛乳、納豆、豆腐、青菜、きのこなど、調理の手間が少ないものを選べば、忙しい日にも使えます。缶詰や冷凍食品も、塩分や表示を確認しながら上手に使いましょう。
家族で食べる場合は、骨の健康だけを前面に出すより、普段の味に自然に混ぜるほうが受け入れられやすくなります。小松菜を炒め物に入れる、豆腐を鍋やスープに足す、きのこを冷凍してみそ汁に入れるなど、献立の一部として続けましょう。
食事だけで完璧にしようとすると、負担が大きくなります。朝に乳製品、昼に外を歩く、夜に青菜や豆腐を足すというように、食事、日光、運動を小さく分けて考えると、生活全体で骨の健康を支えやすくなります。
今日から始めるなら、カルシウムを含む食材を一日一つ足す、日中に短く外へ出る、歩く機会を少し増やす、の3つで十分です。骨粗しょう症の予防生活は、特別な日だけでなく、続けられる普段の食卓から作ります。
「骨粗しょう症に効くらくらくレシピ」は、骨を意識した食事を具体的な献立に落とし込みたい人向けのレシピ本です。カルシウムを含む食材の使い方に迷うとき、日々の食卓へ取り入れるヒントとして紹介します。
