あらすじ
弱りを愛でる特殊性癖を持つ「ヨワラー」の理世。
組長の娘であるからには、縁談だって受けなければーー。
と思いきや、相手も「ヨワラー」!?
お見合い相手・鳩羽との面会を重ねる理世。
意外にも理世と鳩羽は話が合う!
そんな二人を複雑な気持ちで眺める理世の世話役・切谷。
しかし鳩羽は切谷にもじっとり目線を向け始めーー!?
不思議な三角関係が大暴走!
アマゾンから抜粋
『傷口と包帯』4巻は、3巻で登場したお見合い相手鳩羽との縁談が本格的に進む巻です。理世と鳩羽は話が合ってしまい、そこへ切谷の複雑な視線と、鳩羽の切谷への興味まで加わる。三人の関係が一気にややこしくなります。
理世と鳩羽が普通に話せてしまう
理世の縁談相手がどんな人物なのかと思ったら、鳩羽もまた「ヨワラー」でした。もちろん理世とまったく同じではなく、弱りのどこに惹かれるのかには違いがあります。それでも、普通の人には説明しにくい特殊性癖を持つ者同士だからこそ、理世と鳩羽は妙に話が通じてしまう。

ここが4巻の大きな面白さです。理世が切谷に性癖を説明するときは、切谷が困惑して話が止まる。しかし鳩羽が相手だと、理世の言葉がそのまま会話として続いていく。理世にとっては初めてではないにせよ、かなり珍しい「話の合う相手」です。
しかも理世は、組長の娘として縁談を無視できません。相手が自分の趣味を理解できるなら、話を聞く理由も生まれてしまう。恋愛に前向きだからというより、鳩羽の存在そのものが理世の関心を引いてしまうところに、彼女らしさがあります。
切谷の不機嫌がわかりやすい
一方、切谷は理世と鳩羽の面会を複雑な気持ちで眺めることになります。世話係として理世の縁談を見届ける立場なのに、理世と鳩羽が楽しそうに話していると落ち着かない。理世を守るために同席しているはずが、いつの間にか自分の感情まで隠せなくなっていきます。

切谷の不憫さは、4巻でさらに強くなりました。理世が自分の「弱り」に興奮することには散々振り回されてきたのに、理世と相性のよさそうな相手が現れると、今度は別の意味で振り回される。怒る、警戒する、口を挟む。それでも理世のそばから離れないので、切谷の気持ちは態度のほうに出ています。
理世に対して「お見合いをやめろ」と素直に言える関係ではありません。世話係という立場があるため、切谷は自分の気持ちを職務や警戒心に置き換えようとする。しかし鳩羽が相手だと、その言い訳もかなり苦しくなる。ラブコメの焦れったさが、切谷の反応からはっきり伝わってきます。
鳩羽の視線が切谷にも向く
鳩羽は理世と話が合うだけの人物ではありません。鳩羽の「弱り」への関心は、理世だけでなく切谷にも向き始めます。理世をめぐるお見合い相手が、切谷の側にも興味を持つ。この展開によって、単純な理世と切谷の恋愛競争とは違う不思議な三角関係ができあがります。

理世は自分と鳩羽の共通点に惹かれ、切谷は二人の会話を気にする。そこへ鳩羽のじっとりした視線が切谷へ向くので、誰が誰を見ているのかがどんどん複雑になる。普通の恋愛漫画なら三角関係の整理に入る場面ですが、『傷口と包帯』では全員の「癖」が話をさらに変な方向へ運んでいきます。
この作品は、登場人物が自分の気持ちをきれいな恋愛用語に置き換えません。好きなのか、興奮しているのか、相手の弱りを見たいだけなのか。本人たちも判別しきれないまま、相手との距離だけが近づいていく。その不器用さが、4巻の三角関係をただの恋敵登場で終わらせていません。
コメディに着地するからこそ恋愛が残る
4巻では、理世と鳩羽が面会を重ね、切谷がその様子を複雑な気持ちで見守ります。さらに鳩羽の視線が切谷にも向くため、縁談は理世と切谷だけの問題ではなくなります。切谷が嫉妬しているように見える場面があっても、本人はそれを恋愛感情として認めるところまでは進まない。理世も鳩羽と話が合うからといって、切谷への気持ちを捨てるわけではありません。
むしろ、真面目な感情が出てきたところで、会話や行動が「癖」の方向へ戻ってしまう。そこがこの作品の特殊性癖ラブコメとしての強さです。読者が「ここは恋愛が進む場面だ」と思ったところに、ヨワラーならではのズレた反応が入る。笑ってしまうのに、三人が相手を意識していることは残ります。
まとめ

『傷口と包帯』4巻は、3巻で登場した鳩羽との縁談が進み、理世・切谷・鳩羽の三角関係が深まる巻です。理世と鳩羽は特殊性癖を通じて話が合い、切谷は二人を複雑な気持ちで見守る。そして鳩羽の視線が切谷にも向かうことで、三人の関係は予想外の形へ広がります。
切谷が理世を好きなのか、理世が誰を選ぶのかを簡単に決める段階ではありません。それでも、理世と切谷が互いを意識していることは、鳩羽が加わったことで以前よりはっきりしました。笑いの勢いで進んでいくのに、最後には三人の続きが気になる。ヨワラーラブコメの混沌を楽しめる4巻です。

