スーパーファミコン時代のRPGを振り返ると、どうしても評価や話題が一部の有名作に集中しがちです。
エストポリス伝記もその一つで、多くの場合は続編である2作目ばかりが語られ、1作目は後回しにされてきました。
しかし実際にプレイしてみると、エストポリス伝記の1作目には、当時のスーパーファミコンRPGとして見逃せない魅力が数多く詰まっています。
特に音楽や物語の作り込みは、今あらためて触れることで印象が大きく変わる要素と言えるでしょう。
一方で、エンカウント率の高さやイベント構成など、好みが分かれる点があるのも事実です。
そのため、名前は知っていても未プレイのまま終わっている人や、2作目だけ遊んで判断してしまった人も少なくありません。
エストポリス伝記はどんな作品?
エストポリス伝記は、スーパーファミコン初期に登場した王道ファンタジーRPGです。
後に高い評価を受ける2作目の存在が大きいため、どうしてもシリーズ全体が2中心で語られがちですが、1作目はシリーズの土台を築いた重要な作品でもあります。
英雄マキシムの子孫である主人公。幼い頃、記憶喪失の少女ルフィアと出会いそれ以来、共に平和な日々を過ごしていた。故郷アレキアで剣士隊の一員として教練に励んでいたある日、隣国シェランが何者かの襲撃を受けた噂を耳にする。不安に駆られシェランに向かった主人公がそこで出会ったのは、かつて虚空島戦役でマキシムたちに倒されたはずの破壊神“ガデス”を名乗る男であった。圧倒的な力の前に崩れる主人公に男は四狂神の復活を告げる。
駆けつけた少女と共に帰還した主人公はアレキアへ調査隊の派遣を要請するも取り合ってはくれなかった。再びかつての戦役が巻き起こることを危惧した主人公はついに旅立ちを決意する。四狂神復活を阻止するべく、そしてマキシムの子孫としての使命を果たすために、主人公は少女と共に故郷を後にした。(ウィキペディア)
設定自体はシンプルですが、序盤から中盤にかけて丁寧に世界観が積み重ねられていくため、プレイヤーは自然と物語に引き込まれていきます。
当時のスーパーファミコンRPGとして見ると、操作やシステムは非常にオーソドックスです。
奇抜な要素は少ないものの、その分、RPGの基本を忠実に押さえた作りになっており、安心して遊べる作品と言えます。
また、後のシリーズ作品につながる用語や設定が随所に登場する点も見逃せません。
2作目を先に遊んだ人にとっては、既知の要素の原点を確認するような感覚で楽しめる場面も多く用意されています。
一方で、現在の感覚でプレイすると、テンポ面や利便性に古さを感じる部分があるのも事実です。
エストポリス伝記のBGMが高く評価される理由
エストポリス伝記を語るうえで、多くのプレイヤーが真っ先に挙げる要素がBGMの完成度です。
スーパーファミコンという音源の制約がある中で、本作の音楽は場面ごとの感情を的確に表現し、強く印象に残る仕上がりになっています。
やはり2の方が知名度が高いのですが、1も名曲揃いです。
フィールド曲は壮大さと哀愁が同居した旋律で構成されており、長時間の移動でも耳障りになりにくいのが特徴です。
リメイク版ですが、フィールド曲大好きでした。
単なる背景音楽にとどまらず、冒険している実感を自然に高めてくれる役割を果たしています。
また、街やイベントで流れる楽曲も、それぞれの場所の空気感を丁寧に描き分けています。
明るさや緊張感、切なさといった感情が曲調にしっかり反映されているため、物語への没入感が途切れにくい構成になっています。
戦闘曲についても評価は高く、テンポの良さと力強さがバランスよくまとまっています。
特にボス戦では、これから起こる展開を予感させるような重厚なフレーズが使われており、戦闘そのものの印象を引き上げています。
前半に固まって入ってます。
エストポリス伝記のBGMは、派手さよりも物語との調和を重視した作りと言えるでしょう。
そのため、2作目の音楽が好きな人ほど、1作目の楽曲にも共通する魅力を感じ取りやすくなっています。
エストポリス伝記のストーリーと世界観の完成度
エストポリス伝記の1作目は、王道RPGらしい展開を軸にしながらも、物語を丁寧に積み重ねていく構成が印象的です。
派手な演出や急展開に頼らず、登場人物や世界の状況を少しずつ理解させていくため、物語に自然と入り込める作りになっています。
物語の中心にあるのは、人類と強大な存在との対立です。
このテーマ自体は当時のスーパーファミコンRPGでは珍しくありませんが、本作では会話やイベントを通じて背景が細かく描写されており、単なる善悪の対立に終わらない厚みがあります。
仲間キャラクターについても、それぞれに役割と存在感が与えられています。
物語の進行とともに関係性が変化していくため、プレイヤーは戦力としてだけでなく、物語の登場人物として彼らを意識するようになります。
また、世界各地を巡る過程で語られる小さなエピソードも、本作の魅力の一つです。
一見すると本筋とは無関係に思える出来事が、結果的に世界観の理解を深める役割を果たしており、冒険全体に一体感を与えています。
こうした積み重ねがあるからこそ、続編である2作目の物語にも説得力が生まれています。
エストポリス伝記の1作目を遊ぶことは、シリーズ全体の世界観をより深く理解することにもつながります。
エストポリス伝記で賛否が分かれるゲームシステム
エストポリス伝記を評価する際、必ず話題に上がるのがゲームシステム面での賛否です。
特にスーパーファミコンRPGに慣れていない人ほど、テンポの遅さや作業感を強く感じやすい傾向があります。
まず指摘されやすいのが、エンカウント率の高さです。
フィールドやダンジョンを移動していると頻繁に戦闘が発生するため、サクサク進めたい人にとってはストレスになりやすい部分と言えるでしょう。
一方で、当時のRPGとして見ると極端に特殊というわけではなく、時代背景を考慮すれば標準的な設計でもあります。
次に挙げられるのが、いわゆるおつかい的なイベントの多さです。
特定の場所へ行き、アイテムを集めて戻るという流れが何度か繰り返されるため、人によっては単調に感じるかもしれません。
ただし、これはエストポリス伝記に限った話ではなく、同時代のスーパーファミコンRPG全般に共通する特徴でもあります。
特に印象に残りやすいのが、物語進行に関わるアルミナ集めです。
ドラクエで言うオーブに近い位置付けのアイテムですが、入手までの工程が長く、探索や戦闘を何度も挟む必要があります。
物語上は重要な役割を担っているものの、プレイ感覚としては面倒に感じやすい要素でした。
エストポリス伝記は2から入った人にも勧められるのか
エストポリス伝記は、2作目の評価が非常に高いため、後追いでシリーズに触れた人ほど1作目を遊ぶ必要性を感じにくいかもしれません。
しかし、2から入った人にこそ、1作目を体験する意味は十分にあります。
まず大きいのは、物語と世界観の理解が深まる点です。
2作目で描かれる設定や用語の多くは、1作目で既に下地が作られています。
そのため、1作目を知ったうえで2作目を振り返ると、物語のつながりや背景がより立体的に見えてきます。
音楽や雰囲気についても、1作目ならではの良さがあります。
2に負けず劣らずの完成度の高いエストポリスらしいBGMや、シリーズ共通のBGMもあります。
もちろん、快適さや遊びやすさだけを求める場合は、1作目が合わない可能性もあります。
それでも、エストポリス伝記というシリーズをより深く味わいたいのであれば、1作目は外せない存在です。
私はエストポリス2を過去にプレイしたことがあり、1は成人してからプレイしたのですが、プレイして良かったと思っています。
まとめ
エストポリス伝記の1作目は、2作目の影に隠れがちな存在ですが、決して評価が低い作品ではありません。
スーパーファミコンRPGとして見た場合、音楽や物語の作り込みは今でも十分に通用する完成度を持っています。
一方で、エンカウント率の高さやアルミナ集めといった要素は、現代の感覚では不便に感じやすい部分でもあります。
しかし、それらは当時のRPGらしさでもあり、作品の個性として受け止めることもできます。
特に、2作目を先に遊んだ人にとっては、1作目を体験することでシリーズ全体の見え方が変わるはずです。
世界観の土台や物語の流れを理解したうえで振り返ることで、2作目の評価がより強固なものになります。
エストポリス伝記は、2だけで完結するシリーズではありません。
1作目を含めてこそ、その魅力がよりはっきりと浮かび上がります。
スーパーファミコンRPGが好きな人なら、一度は触れておきたい一本と言えるでしょう。

