雨夜の月に登場する綾乃は、奏音の中学時代のクラスメイトとして描かれるキャラクターです。物語の現在軸では、すでに過去の人物として位置づけられており、断片的な再会を通して物語に関わってきます。
綾乃は、奏音の中学生活に深く関わっていた存在であり、その関係は物語の中で重要な過去として扱われています。ただし、その詳細は一度に語られるのではなく、巻をまたいで少しずつ明らかになっていく構成になっています。
初登場時点では、綾乃がどのような人物で、なぜ奏音と距離があるのかははっきりとは説明されません。短い言葉や態度を通して、奏音にとって未整理の過去に属する人物であることだけが示されます。
1巻で描かれた綾乃との再会
雨夜の月1巻では、奏音と咲希が一緒に買い物をしている場面で、綾乃と再会します。

綾乃は奏音の前に現れると、「今はその子なんだね」という言葉を残して去っていきます。この発言の具体的な意図や背景については、この時点では説明されません。
この言葉を受けて、奏音が強く動揺する様子が描かれます。奏音の反応によって、綾乃が奏音にとって過去に深く関わった人物であることが分かります。

3巻で語られる綾乃の家庭事情
雨夜の月3巻では、咲希と綾乃が偶然出会います。会話の中で、綾乃が母親と暮らしていること、弟や妹の世話を日常的にしていたことが分かります。家のことで手いっぱいになりやすい状況にあったことも、この場面で触れられます。

回想として、綾乃が一度家を出てしまったとき、母親から言われた言葉が短く出ます。弟や妹の面倒を見なければいけない、という内容で、綾乃が家庭の中で担っていた役割が重かったことが分かります。
4巻ではその後何があって奏音と疎遠になったかが判明します。
6巻での再会と咲希への感謝
雨夜の月6巻では、咲希と綾乃が再び偶然出会います。会話の中で、綾乃は咲希から最近の奏音の変化について聞きます。奏音が富田に歩み寄っていることを知り、綾乃は咲希に感謝を伝えます。

その流れで、咲希は綾乃を合唱コンクールに誘います。
7巻の文化祭で奏音とついに和解
雨夜の月7巻では、文化祭で奏音が接客当番に入ります。奏音は、富田から受け取っていた「耳が聞こえにくいです」と書かれたバッジをつけずに接客を始めます。
接客中、客とのやり取りがうまく伝わらない場面が起きます。奏音がメニューを確認しようとしてもうまく見えず、指差しで伝えようとした内容も客に伝わりません。咲希が代わりに対応し、奏音は落ち込んだ様子を見せます。
そこで綾乃が来て、奏音を助けます。奏音と綾乃はお互いに謝り、ここでしっかり和解します。

まとめ
綾乃は、雨夜の月において奏音の中学時代と現在をつなぐ人物として描かれています。1巻では意味深な言葉を残して去る存在として登場し、その時点では詳しい事情は語られません。
3巻では、咲希との再会を通して、綾乃が母親と暮らし、弟や妹の世話を日常的にしていたことが分かります。家庭の中で多くを背負っていた状況が語られ、奏音との関係が変わっていった背景に触れられます。
6巻では再び咲希と出会い、奏音の変化を知って感謝を伝えます。その流れで合唱コンクールに誘われ、7巻の文化祭へとつながっていきます。文化祭では、接客中に困っていた奏音を綾乃が助け、お互いに謝ることで和解します。
その後は、奏音の家に来るほど関係が近づいており、過去のまま止まっていた関係ではなくなっています。

