結構評価が高いらしいくろアゲハ(加瀬あつし)を全部読みました。
前作のカメレオンを読んでいた身としては、どうしても当時の印象を思い出しながら読み進める形になりました。とくに昔のキャラが出てくる場面では、ああ、こんな雰囲気だったなと感じるところが多かったです。
くろアゲハの概要
くろアゲハは、加瀬あつしが描く不良漫画で、代表作であるカメレオンのその後を描いた続編的な立ち位置の作品です。舞台はカメレオン最終回から時間が経った世界で、前作に登場したメンバーがOBとして顔を出すこともあり、昔の読者には思わず懐かしくなる場面がいくつもあります。
物語の中心になるのは、16歳の高校生である星野英太。英太は実家のスナックを手伝いつつ、女装した姿でエイラという源氏名を名乗り、ホステスとして働いています。そんな彼が同級生の山本都姫と女装姿で偶然出会い、彼女が継ぐことになった暴走族「OZ」の二代目を巡る騒動に関わっていくという流れです。そこに英太の恋心や、二重生活ゆえのドタバタ、暴走族同士の衝突が絡んでいき、物語が動いていきます。
くろアゲハを読んで最初に感じたこと
くろアゲハを読み始めてまず思ったのは、前作のカメレオンを読んでいた時の雰囲気がふと戻ってくるような感覚でした。久しぶりに加瀬あつしさんの作品に触れたこともあって、キャラクターの動きや言い回しに見覚えがあり、自然と当時の記憶がよみがえってきます。主人公が変わっているため続編とまでは言えないですが結構カメレオンのキャラも登場シーンが多いです。

とはいえ、くろアゲハとしての空気もしっかりあって、前作の雰囲気をそのまま引きずっているわけでもありません。場面ごとのテンポの置き方や、キャラクターの立たせ方など、カメレオンとは違う部分もすぐに分かります。前作を思い出しつつ、今作としての新しさも素直に受け取れるような、ちょうどいい距離感で読み進められました。
カメレオンの雰囲気と比べて
くろアゲハを読んでいてまず感じたのは、カメレオンのときにあった独特の勢いがところどころで顔を出すことでした。キャラ同士の掛け合いのテンポや、ちょっとした動きの描き方に前作らしい空気が残っていて、読んでいてふと懐かしさがよぎる場面があります。前作を読んでいれば、何となく分かる細かいニュアンスが散りばめられている印象です。
「それが遺言か」のような前作での名セリフ的なものも随所に入っています。
ただ、完全にカメレオンの延長というわけではなく、くろアゲハとしての落ち着いた雰囲気や、キャラの見せ方の違いもしっかりあります。これは作者が同じだから似て見える部分がありつつも、物語としての方向性が変わっているからこそ出る違いなのかもしれません。昔の空気がありつつ、作品としては別物として成立している、そのバランスが読み進める中で自然に伝わってきます。
くろアゲハでのギャグや言い回しについて
くろアゲハを読んでいて感じたのは、全体のノリが多少落ち着いていても、言葉の選び方やツッコミのタイミングに加瀬あつしらしさがしっかり残っているところです。大げさなリアクションだけで笑わせるのではなく、セリフの一部だけ妙に刺さったり、少し外した言い回しが後からじわっと来たりする場面が多いと感じました。
特に、キャラクター同士の会話の中に出てくる細かい一言が、いちいちカメレオン時代を思い出させるような雰囲気を持っていて、そこが前作ファンとしては一番ニヤッとする部分でした。設定や状況そのものより、掛け合いのリズムで笑わせにくるところは、やや下品寄りなところも含めて相変わらずのスタイルだと思います。

カメレオン時と比べた結城直人のギャップに感じたこと
結城直人については、くろアゲハを読んでいて一番ギャップを感じた部分でした。カメレオンのときの結城直人は、自分の中でイメージがかなり固まっていたこともあって、登場した瞬間にあれ?と違和感が出たのが正直なところです。
前作では、あの独特の存在感があって、良くも悪くも振り切ったキャラ(感情が壊れているチートキャラ)という印象が強かったのですが、くろアゲハでは全体の雰囲気もあってか、だいぶ印象が変わっています。ストーリーが主人公に惚れるどうこうだったので、前作にはありえない流れではあったのですが、直人こんなこと言わなくない?ってところどころに感じました。


(ネタバレは伏せます)カメレオンの時と同じく感情を揺さぶられていたとはいえ、直人こんなこと言うかな…?
前作を読んでいない人なら特に違和感なく受け取れるのかもしれませんが、カメレオンを読んでいた身としては、どうしても比べてしまうところがあります。その比較の中で、くろアゲハの結城直人には意外性が目立ち、そこが今回最も印象に残ったポイントでした。
まとめ
ということで、くろアゲハの感想でしたが、ギャグセンスはやっぱツボに来るものがありますねw

個人的には、エイラの正体が信愛にバレるところですかね。
思い入れがある分カメレオンの方が笑えるシーンが思い出されますが、カメレオンファンなら読んで損はない作品だと思います。

