ChatGPTと生成AI画像を徹底比較|どちらも利用した感想

SeaArt

近年、生成AIの進化によって「テキストから画像を作る」時代が急速に広がっています。
中でも注目されているのが、文章生成でおなじみのChatGPTが持つ画像生成機能と、
SeaartAIのような専用の生成AI画像サービス
です。

どちらも「言葉で指示して画像を作る」という点では同じですが、
実際に使ってみると、まるで別物です。
特に、日本語の文字入れ精度・生成スピード・料金・仕上がりの方向性は大きく異なります。

「ChatGPTの方が自然なデザインが出る」「SeaartAIの方が圧倒的に速い」
そんな口コミを見かけても、実際どちらが自分の用途に合っているのか判断しづらい――
という人も多いでしょう。

この記事では、両者を実際に使って感じた違いをもとに、
精度・速度・コスパ・用途適性の4つの視点で比較します。

ChatGPTの画像生成:日本語文字入れ精度と実用性を検証

ChatGPTの画像生成:日本語文字入れ精度と実用性を検証

ChatGPTの画像生成の仕組みと使い方

ChatGPTの画像生成は、テキスト入力で直接「〜な画像を作って」と指示するだけで行える非常にシンプルな仕組みです。
ユーザーはPhotoshopのような操作を覚える必要はなく、会話の延長線上でデザインを依頼できるのが最大の特徴です。

画像生成は「GPT-4」または「GPT-4 Turbo」を搭載した有料プランで利用できます。
月額3,000円前後(GPT Plusプラン)を契約していれば、テキストを打つだけで即座に画像生成指示が可能です。
例えば「和風の背景に白文字で『秋のセール開催中』と書いた画像を作って」と入力すれば、
数十秒〜1分ほどで高品質な画像が提示されます。

操作は非常に直感的ですが、生成には多少時間がかかるため、連続して試すにはやや根気が必要です。
また、細かなパラメータ(画角・モデル選択・シード値など)を設定することは難しく、
「お任せデザイン」をAIに委ねる形になります。

日本語文字入れの再現度と実例

ChatGPTが特に優れているのは「日本語文字の再現度」です。
多くの海外製AIでは、漢字やひらがなが歪んだり、意味不明な模様になってしまうことが多いですが、
ChatGPTは自然で美しいフォントを使い、指定した文字をかなり正確に入れてくれます。

縦書きや特殊フォントはまだ対応が限定的ですが、
「タイトル文字」「バナー文字」「商品名」などの短いテキストなら十分実用レベル。
日本語を含むデザインを量産したいブロガーやデザイナーにとっては、
文字崩れしないAI生成というだけで大きな価値があります。

たとえば「紅葉セール開催中」「新作レビュー公開!」などを入れた画像を頼むと、
背景や色調まで自動的に整えてくれるため、デザイン知識がなくても見栄えの良い素材が得られます。

生成スピードと費用面の課題

一方で、生成スピードは明確な弱点です。
通常、1枚の生成に30秒〜数分かかるため、
「少し違う構図を試したい」「フォントを変えたい」と思ってもすぐには出し直せません。
特にSeaartAIなどと比較すると、体感で3〜5倍ほど遅く感じます。

また、無料ユーザーでは画像生成そのものが使えません。
GPT-4の画像生成は有料プラン限定のため、
月3,000円以上の課金をしてようやくスタートラインに立てる形です。

とはいえ、手間をかけずに整ったデザインがほしい人にとっては十分価値があり、
「日本語文字入りバナーを1分で完成させたい」という用途には最適なツールといえます。

生成AI画像サービス(SeaartAIなど)の特徴

生成AI画像サービス(SeaartAIなど)の特徴

生成AI画像の強みと仕組み

生成AI画像サービス(例:SeaartAI、Civitai、Leonardo.ai など)は、
ChatGPTとは異なり「画像生成専用」に設計されたプラットフォームです。
最も大きな特徴は、スピードと自由度の高さにあります。

SeaartAIでは、プロンプト(命令文)を入力してから数秒で画像が生成されます。
しかも、解像度・縦横比・モデル(スタイル)などを細かく設定可能。
「4K風のリアルイラスト」「手描き風のキャラ」「写真っぽい背景」など、
求めるテイストを細かく制御できる点が魅力です。

また、多くのサービスでは無料プランでも利用可能
生成回数に制限はあるものの、課金なしで高画質の画像を作れるのは大きなメリットです。
UIも視覚的で、スライダーやタグ選択で直感的に操作できるため、
画像生成に慣れていない初心者でも扱いやすい設計になっています。

一方で、ChatGPTのように自然言語の理解力はあまり高くありません。
「秋の空に切なさを感じるポスターを作って」と入力しても、
思ったような構図やトーンにならないことが多く、
やはりプロンプトを丁寧に書く力が結果を左右します。

日本語テキストが苦手

生成AI画像サービスの明確な弱点が、「日本語の文字入れ」です。
「ポスターに『夏祭り開催中!』と入れて」と指示しても、
フォントが潰れたり、文字が崩れたり、まったく意味不明な線になることがほとんど。
これは、学習データの多くが英語圏の画像ベースであるためです。

AIが画像中の文字を絵として扱ってしまうため、
文字の意味を理解して再現することが苦手なのです。
英語であればある程度読めるフォントが出ることもありますが、
日本語は学習サンプルが少ないため、安定して表示されません。

そのため、文字入りデザインを作る場合はChatGPTの方が圧倒的に有利
逆にSeaartAIでは「文字を入れないで、背景や雰囲気を重視する」
と割り切って使うのが現実的な戦略です。

人物生成の偏りとプロンプト設計のコツ

もう一つの特徴は、「人物生成の偏り」です。
SeaartAIでは、何も指定せずに生成すると若い女性が登場することが非常に多いです。
これは、モデル学習時に「人物=女性モデル」という画像データが多く使われているため。

この偏りを避けたい場合は、プロンプトで
「男性」「中年」「老年」「人物なし」などを明示的に書く必要があります。
また、背景や衣装などもかなり影響を受けやすく、
1語の違いで全く異なる絵になるのも生成AIの特徴です。

その分、慣れると非常に奥が深く、
プロンプト次第でイラストの雰囲気・構図・照明まで自在に操れます。
SeaartAIでは「LoRA」と呼ばれる追加モデルを読み込むこともでき、
アニメ風・写真風・手描き風など多彩な世界観を再現できます。

つまり、「自分で構成を細かく作りたいタイプのユーザー」には最適
一方で「思考を省いて完成された画像がほしい」タイプの人には、
ChatGPTのほうが快適です。

ChatGPTと生成AI画像の違いを比較

ChatGPTと生成AI画像の違いを比較

主要な比較ポイントまとめ

ChatGPTとSeaartAIのような生成AI画像サービスは、
どちらも言葉で画像を作るという点では同じですが、
内部構造や得意分野はまったく異なります。

以下の表は、実際に両者を使用した際の比較をまとめたものです。

比較項目ChatGPT生成AI画像(SeaartAIなど)
日本語文字入れ◎:漢字・ひらがなを自然に再現可能×:ほぼ崩壊、英語も不安定
生成スピード△:30秒〜数分と遅め◎:数秒で完了
画像サイズ指定△:一部のみ対応◎:自由に指定可(16:9, 9:16 など)
コスト×:有料プラン限定(月3,000円〜)◎:無料でも利用可(制限あり)
デザイン品質◎:構図・配色が自然で整っている○:プロンプト次第で変動が大きい
自由度△:詳細指定が難しい◎:LoRAやモデル変更で高自由度
適性用途タイトル・バナー・日本語文字素材キャラクター・背景・作品制作

この比較からも明らかなように、
ChatGPTは「文字とレイアウトの完成度」を重視したデザイン型AI、
SeaartAIは「スピードと表現の多様性」を重視したクリエイティブ型AIといえます。

たとえばブログのアイキャッチや告知画像ではChatGPTが強く、
キャラクターや背景素材の生成ではSeaartAIが圧倒的に優秀です。

用途別に見る長所と短所

ChatGPTの長所・短所

長所:

  • 日本語文字をきれいに入れられる
  • 構図と色彩が自然で
  • チャット形式で依頼でき、修正も簡単

短所:

  • 生成に時間がかかる
  • 細かな設定ができない
  • 無料では使えない

ChatGPTは、「デザインをお任せしたい」「とにかく手早く文字入り画像を出したい」人に最適です。
ブログやSNSの告知バナーなど、短時間で整った画像を作りたい用途に向いています。

SeaartAI(生成画像AI)の長所・短所

長所:

  • 高速生成で試行回数を重ねやすい
  • プロンプトを細かく調整できる
  • 無料でも十分な品質を得られる

短所:

  • 日本語文字が使えない
  • プロンプト構築に知識が要る
  • 絵柄や人物の偏りが出やすい

SeaartAIは、「クリエイティブ作品」「キャラ画像」「背景素材」を作りたい人向け。
プロンプトの工夫次第で驚くほど多様な表現が可能なため、
アート的な制作や世界観の構築に向いています。

目的別のおすすめと注意点|どちらを選ぶべきか

目的別のおすすめと注意点|どちらを選ぶべきか

文字中心のデザインを作りたい場合

ブログやSNSのアイキャッチ、商品バナー、キャンペーン画像など、
文字をメインにしたデザインを作りたい場合は、ChatGPTが圧倒的に有利です。

ChatGPTは、日本語の文字入れに強く、漢字・ひらがな・カタカナを自然に再現できます。
また、フォントや配置バランスも整っているため、
「タイトルだけ伝えて画像を作る」という使い方でも十分見栄えのするデザインが出力されます。

たとえば、「秋のセール開催中」や「新作レビュー公開」といった短い文字を指示すると、
背景に合ったトーンの画像を自動的に作り上げます。

ただし、生成スピードは遅めで、細かいサイズ指定ができない点には注意。
「時間がかかっても確実に文字をきれいに出したい」場合に向いています。

ビジュアル重視・人物中心の画像を作りたい場合

キャラクターや背景など、絵そのものの表現力を重視する場合は、
SeaartAIなどの生成AI画像サービスが最適です。

特に人物生成のクオリティは高く、照明・髪の毛・質感などが非常にリアル。
「ゲームのキービジュアルのような画像を作りたい」
「ブログの挿絵としてオリジナルキャラを使いたい」
といったケースでは、ChatGPTよりも数段高い自由度を発揮します。

また、生成速度が非常に速いため、同じテーマで数十枚を一気に試すことも可能。
「多くの候補を見てから選びたい」場合には最強の選択肢です。

ただし、前述の通り日本語文字を綺麗に入れるのはほぼ不可能
そのため、タイトル部分だけは別途ChatGPTで作り、
SeaartAIで生成した背景に合成する、といったハイブリッド運用が理想的です。

スピード重視・量産したい場合

「とにかく数を出したい」「短時間で多くのバリエーションを試したい」
という人は、SeaartAIが圧倒的に効率的です。

数秒で生成が完了するため、失敗してもすぐやり直せます。
ChatGPTの場合、1枚あたりの生成時間が長いため、
複数パターンを試す用途には不向きです。

ただし、SeaartAIの弱点は安定性のなさ。
同じプロンプトでも構図や配色がばらつきやすく、
意図しない方向に進化することがあります。
この点は、プロンプトのテンプレ化や保存を活用すると安定します。

一方ChatGPTは、出力が安定しており、指示の変更にも一貫性があります。
「量より質を取りたい」「ミスの少ない画像を確実に出したい」場合は、
ChatGPTが安心です。

使い分けのまとめ

目的おすすめ理由
日本語文字入りデザインChatGPT文字精度が高く、仕上がりが安定
背景・人物・アート制作SeaartAI表現力が高く、生成が速い
量産・試作・研究SeaartAI数秒で大量生成できる
ブログ・SNS用アイキャッチChatGPT構図と文字のバランスが良い
作品づくり・ポートフォリオSeaartAI多彩なスタイルと自由度

結論として、文字を入れるならChatGPT、絵を描かせるならSeaartAI
この棲み分けを意識するだけで、作業効率は数倍変わります。

次の章では、この記事全体を通して得られた結論を整理し、
AI画像を効果的に使い分けるための実践的な指針をまとめます。

まとめ

ChatGPTとSeaartAIは、どちらも「AIが画像を作る」という共通点を持ちながら、
実際に使ってみるとまったく異なる方向性のツールであることが分かります。

ChatGPTは、日本語文字入れとデザインの自然さに優れています。
フォントが崩れず、配色やレイアウトも整っており、
「タイトル画像」「バナー」「告知画像」を短時間で作りたい人にぴったりです。
ただし、生成スピードが遅く、有料プランでしか利用できない点はデメリットです。

一方、SeaartAIなどの生成AI画像は、スピードと自由度が圧倒的。
プロンプトを工夫すれば、リアルな人物、幻想的な風景、アニメ風のキャラクターまで、
思い通りの世界観を数秒で描き出してくれます。
無料でも試せるため、作品作りや試行錯誤の回数を重ねたい人には最適です。
しかし、日本語文字入れは苦手で、思い通りの文字を出すのはほぼ不可能です。

最終的な結論としては予算に問題がなければ、
ChatGPT=文字を含むデザイン用、SeaartAI=絵やアート用
という役割分担がもっとも効率的です。

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