生成AI画像サービスとして人気のSeaArt AIは、手軽に高品質なイラストや画像を作れる便利なツールですが、万能ではありません。特に「ここは苦手」という部分があり、思った通りに画像が生成されないことも少なくありません。
手や指の表現、複雑な背景、複数人物が絡むポーズ、文字やロゴ、光や反射などは、AIの処理が追いつかず、不自然な結果になることがあります。
この記事では、生成AIが苦手とする典型的なポイントを解説し、失敗しやすい構図や注意点をまとめます。これを理解しておくことで、よりスムーズに理想の画像を生成でき、時間の無駄を減らすことができます。
SeaArt AIが苦手なこと
SeaArt AIは、簡単なプロンプト入力だけで高品質なイラストや画像を生成できますが、特に人間が意図する細かい表現や複雑な構図に関しては、思い通りの結果が出ないことが多いのが現状です。ここでは、具体的にAIが苦手とするポイントを整理し、生成時に注意したい点を解説します。
手や指の表現
AI生成画像で最もよく問題になるのが「手や指」の描写です。指の本数が足りなかったり、変形していたり、物を握る動作が不自然になったりすることがあります。たとえば、片手で何かを持たせたい場合でも、指がねじれたり、3本しか描かれなかったりすることがあります。これはAIが「手は複雑で小さな構造を持つ」と認識しているためで、現実的な形を再現するのが難しいからです。こうした理由から、手や指を重要なモチーフにする場合は、生成後に編集ツールで修正することがほぼ必須になります。
複数人数のポーズ
複数の人物が絡むシーンも苦手です。たとえば、二人以上のキャラクターが握手している、戦っている、座って並んでいるといった動作は、AIが正しく距離感やポーズの整合性を把握できず、体が重なったり、不自然な姿勢になったりすることがあります。また、キャラクター同士の視線や手の位置がずれることも多く、意図したシーンを忠実に再現するのは難しいといえます。このため、複数人の構図は一度に生成するより、キャラクターごとに分けて生成し、後から合成するほうが成功率が高くなります。
背景や小物の複雑な表現
建物や自然、機械などの複雑な背景も苦手です。特に、細かい装飾や小物がたくさんあるシーンでは、AIが形状やパースを正しく認識できず、不自然に歪んだり、破綻したりすることがあります。また、文字やロゴなどの要素も正確に再現できないケースが多く、文字化けや読めない形になることが一般的です。そのため、背景や小物にこだわりたい場合は、生成後に手動で修正するか、シンプルな構図にすることが推奨されます。
光や反射の表現
光の当たり方や反射も、AIが苦手とするポイントです。複雑な光源や反射を伴うシーンでは、光の方向や影のつき方が不自然になることがあります。たとえばガラス越しの光や水面の反射、金属表面の光沢などは、AIが正確に認識できず、ぼやけたり、異質な形状の反射になったりします。この点を改善するには、生成時に「シンプルな光源」や「影を少なめに」といった指示を入れることで多少の安定性が得られます。
SeaArt AIで失敗しやすい構図と回避策
SeaArt AIは便利な生成AIですが、複雑な構図や複数要素の組み合わせには弱点があります。ここでは、どのような構図が失敗しやすいのか、そしてどのように回避すれば成功率を上げられるのかを具体的に解説します。
複数人物の絡み
複数人物のシーンは、AIにとって最も難しい構図の一つです。たとえば、二人以上が会話したり、戦ったり、手をつないだりする場面では、キャラクター同士の距離感や重なり、手や顔の向きなどが不自然になりやすいです。この場合、生成後に人物が重なっている、手足の向きが変、顔が崩れているといった問題が頻発します。
SeaArt AIで失敗しないための基本的なコツ
生成AIを使った画像制作は、誰でも簡単にハイクオリティな作品を作れる反面、意図した通りに描けないことも少なくありません。特にSeaArt AIのようなツールでは、人物のポーズや表情、背景の細かいディテールなど、複雑な要素を一度に表現するのが苦手な傾向があります。しかし、いくつかの基本的なコツを押さえておくことで、失敗を減らし、より理想に近い画像を生成できます。
まず重要なのは「シンプルな構図から始める」ことです。複雑すぎるシーンや多人数、細かい小物や装飾を一度に要求すると、AIは処理が追いつかず、意図しない形に仕上がることがあります。人物一人、背景も一つのテーマに絞った構図を作るだけで、クオリティが格段に上がります。
次に「光源や色調を統一する」ことが大切です。AIは曖昧な指示では光の向きや影の付き方、色のトーンをバラバラに描くことがあります。昼間の屋外、夕方の室内、雨の日など、具体的な時間帯や光の方向をプロンプトに入れるだけで、全体の統一感が生まれ、自然な仕上がりになります。人物と背景のバランスも、この光源の統一で格段に安定します。
さらに、「細かい部分にこだわりすぎない」ことも重要です。特に手や指、複数の人物の手の位置、複雑な装飾などはAIにとって苦手な分野です。完璧を目指すよりも、ざっくりとした形で生成し、後から編集や合成で補うほうが効率的です。このアプローチは、背景の建物や自然物、空や水面などの表現にも有効です。
最後に、プロンプトを作る際は「具体的すぎず、要点を押さえる」ことを意識しましょう。例えば「笑顔の少女が草原に立つ」程度のシンプルな指示で十分で、髪型や服装の細かい指示を追加しすぎるとAIが混乱することがあります。生成された画像を見ながら微調整を繰り返すことが、最終的に満足のいく作品を生む近道です。
このように、SeaArt AIでは人物と背景を問わず、構図をシンプルにし、光源や色調を意識し、細部にこだわりすぎず、プロンプトの要点を明確にすることが、失敗を避ける基本のコツです。これらを実践すれば、AIの苦手分野をうまく補いながら、初心者でも高品質な画像を生成できるようになります。
今回載せた画像はこれに載せるためにすべて適当なプロンプト（「複数の女の子」のみとか）で出力しましたが、ネガティブプロンプトを活用したりプロンプトの指示を意識することでおかしな画像を減らすことはできます。
ただ、全く同じプロンプト、ネガティブプロンプト、設定で出力してもどうしても出来上がった画像に差異が出て、ガチャの要素は強くなります。完全に0にすることはできないので、ある程度は根気よく出していくしかないと思います。
